カメルーン便り

 

カメルーン東部州へ(その2)

(2013年5月)

ミンドゥルー村奥のバカ族(ピグミー)居住地 

 


 さて、ミンドゥルー村の滞在した集落から11km奥に入ったところにバカ族(ピグミー)の人々が住んでいます。バカ族の人達は森の中に住み、村の人達とは一緒に住みません。


 バカ族の生老病死はすべて森の中で完結します。以前は生活の糧もすべて森の中にありました。しかしここにも近代化の波は容赦なく押し寄せます。


 マッサーラ(ミンドゥルー村の修道女)は言います。「彼らは教育がないから、人に騙されてしまうんですよ。」そこで彼女たちは小学校を作ってもらったり、優秀な子供は町の学校へ進学させたりすることに奔走してきました。マッサーラは毎日のように彼らの様子を見に行きます。

 

 

 

バカ族村の小学校:材木伐採を手がける外国の会社によって寄贈されました。

 

  2年生になったら、教会の寄宿舎に入り、教会の学校で勉強します。でも長続きしなく、逃げて帰る子がいるとマッサーラは嘆いていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バカ族の昔風の家:
  大きく見えますが、とても小さくて中に入るのも大変です。中には竹の敷物があり、その上で座ったり寝たりします。座るのは数人座れますが、寝るのは一人で精一杯。火が炊いてあり、室内の壁(天井?)は煙で飴色になり、自然の防水加工が施された状態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  バカ族の人達の近代式家の組み立て。一日もあればできそうです。


  最近はこのような家を造ることが推奨されています。

 

  このバカ族の人達は森からでて来て道路沿いに住み始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  さ~てお楽しみの夕飯です。


  芋鍋。どろ水で煮るのがいいそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  夕食の小動物。今日は2匹。しかしすでに調理されているのをみると、小さくて大家族では一口ずつもなさそうです。


  他にカタツムリ2匹が鍋のわきでバーベキューにされていました。


 

 

 

 

 

 

  生後1カ月ぐらいの赤ちゃん。新築中の家と同じ敷地にある、近代式家で生まれました。


  お母さんのお乳がよくでるようにと、夕飯にはネバネバした野菜が準備されていました。この赤ちゃんも元気にここで育っていくことでしょう。

 

  すべての時間は自然の中で生きていくための勇気と知恵を教わるためにすぎてゆくかのようです。

 

 

 マッサーラはこうした人々にも忍耐強く教育が必要と奔走しています。森の中に住んでいたバカ族の人達も皆フランス語を話しています。マッサーラの願いも少しずつ実ってくることでしょう。

 

  外国の大きな材木会社に木をどんどん伐採され、それがなくなれば、この人達はどうやって暮らしていくのでしょう。開発の恩恵にあずかれないまま暮らしていても不満もなく、のどかに暮らしているミンドゥルー村の人々。いつかは自らの手による自らのための開発ができるようにと祈って村を去りました。

 

ピグミーの呼称:人類学な定義で成人男性の平均身長が150cm以下の形質的(身体的)特徴による呼び名です。民族的分類ではないのでバカ族と呼ぶようにということです。


実際筆者が会った人達はそれほど小さい人達ではありませんでした。

 


おわり