在カメルーン日本大使館主催文化事業「J-POP祭」(2012年11月17日、於:ヤウンデ) 開催報告:その2(コンサートの模様)


 11月17日土曜日、コンサート当日。


 コンサート会場では、お昼にはミュージシャンも揃いました。


 リハーサル中、コンサートホールのすぐ隣にカフェテリアがあり、そのお客さんから「何のコンサート?」と何度聞かれたことか。「日本大使館主催の日本のポップミュージックコンサート」と伝えると、ちょっと見せてくれ、是非今晩見に行きたいというお願いもありました。申し訳ありませんが今晩は招待状がないと入れません、予約でいっぱいですと丁重にお断りしました。


 17時前には浴衣、はかま姿の大使館スタッフも集まり、招待客を受け入れ体制ができました。
地元テレビ局や新聞記者も取材に来ました。
予定より10分遅れの18時40分にゴーサイン。

 新井大使のコンサート挨拶は、「ボンソワール マダム・ムッシュー(こんばんは、皆さん)」の代わりに、フランス語で「みんなで歌って、心と耳を魅了しましょう」という意味の歌を口ずさみスタートしました。
日本語やJ-POPを知っているカメルーン人が少ない中、司会の田中書記官が何度かステージに登場しフランス語で曲やメンバーの紹介をしました。コマーシャルやテレビドラマで使われている、学校の運動会や結婚式でよく聞く曲などと紹介すると、カメルーンの人たちにとって新鮮だったようです。

 

 

 

 最初の2曲(亜麻色の髪の乙女、空も飛べるはず)は前出なお子青年海外協力隊員がボーカルです。一曲目の緊張と、「一体J-POPとは何だ?」という観客の空気が伝わってきました。

 

 

 

 

 

部族のジャンプ?

 

 続いて菊池孝司書記官が「乾杯」でしみじみと登場したと思えば、「ふれて未来を」で軽いテンポに変わりノリがアップ。「男性ボーカルの2曲目で見せたジャンプ、あれは我が部族のものであり、涙が出そうになった。」という、思いがけない感想を後でいただきました。


 

 ここで大使がステージへ。「心を開いて」と「世界に一つだけの花」では、カメルーン人のロディさんとのダブルドラムを披露しました。「世界に一つだけの花」では、ボーカルの前出さんが、カメルーン人かと思わせる説得力あるフランス語を駆使して観客と一緒に意味を紹介しながら振付を紹介し、歌に合わせてみんなでやってみました。


 

 菊池書記官が再び登場して「世界を止めて」「Beloved」を熱唱する頃には、観客も自然とリズムをとっていて、「タカシ~ィ」という黄色い声援も受け、日本とカメルーン双方の楽しみ方を一度に見ました。

 

 

 開始時の挨拶の最初は、フランス語の歌で観客を和ませ、アンコールでは、「乾杯」で歌声も披露し、地元テレビニュースでも大使のマイク姿が紹介されました。


 またまた大使のドラムとともに、1960年代に世界的に人気を収めた坂本九の「上を向いて歩こう」を前出さんが担当しました。

 

 

 

歌ってみたい?と質問中の前出さん 


 前出さん「ボンソワール、皆さん。質問があります。今日の祭りは何ですか? ビール祭り? マタンゴ祭り?(注:マタンゴは、ヤシ酒のカメルーンでの呼称) 違いますよね。日本の音楽の祭りですよね? みなさん歌を歌いましたか? まだですよね? そりゃもったいない。歌ってみたい? じゃあ、歌いましょう!」
ということで、観客参加となりました。


 次は「人生の扉」です。前出さんと、この日はコーラス(普段は大使館職員)のニンガマイがソロで歌う場面もありました。J-POPには歌詞に英語も入っていることに気付いた観客もいました。

 

 あっという間に司会の田中書記官から最後の曲という紹介がありました。元気を与えてくれる曲「負けないで」を前出さんとニンガマイとが肩を組み一緒になって歌いました。


 日本やカメルーンといった国の垣根がなく、J-POPを演奏するグループ「Tom & Jacars」として一体となりました。

 

 

 しかし、ここで終了というわけではなく、「Tom & Jacars」はきちんとアンコールのことも考えていました。


 プログラムにないので菊池書記官が「Tsunami」を歌いますと言うと、会場からは「オー」という声が。在留邦人やJ-POPを知る人からサザンの名曲としてなのか、東日本大震災で世界的に知られることになった「津波」を思ったのかは分かりませんでした。


 最後は大使やニンガマイも加わって、みんなで「乾杯」でステージを締めました。

 

 立ち見の観客も出たのですが、会場を出て行く時みんな輝いているように見えました。

 

 その3では、コンサートの反響をご紹介します。

 

(広報文化担当:荻野)