カメルーン便り
カメルーン便り(ドゥアラ・ブエア・リンベの旅):リンベ編
2014年7月に当館館員がプライベートで訪れたドゥアラ、ブエア、リンベを3回にわたりご紹介いたします。前回分をご覧になりたい方はこちらクリックしてください。
旅の目的の再確認
ヤウンデで見つけた「リンベの火山岩石鹸」の源を知るためにも、そして、その火山岩を放出したカメルーン山とは一体どういう山なのかを実際に見るためにも、ヤウンデを出発しましたが、カメルーン山は深い霧に覆われており、結局見ることができませんでした。
しかし、まだ希望を捨てることはありません。リンベからであってもカメルーン山を拝むことができるかもしれません。
ブエア出発は早朝7時。道の沿道に延々と続くヤシのプランテーションと丘の斜面を利用したヤシの幼木の植樹の絶景を見ながら、私たちは黒い砂浜で有名なリンベに向かいました。
リンベの英語
カメルーンはアフリカ諸国の中でも珍しく英語とフランス語が公用語の国であり、ブエアやリンベといった旧宗主国がイギリスであった地域では、地元の言葉と英語が混ざったピジン・イングリッシュが話されています。
旅で道を間違えることはよくあることですが、そこで頼りになるのは、地元の人々に道を尋ねてみることです。しかし、尋ねてみてピジン・イングリッシュで答えが返ってくると、我々はまるで未知の言語に遭遇したかのような感覚に陥ってしまいます。
実際、道端を歩く住人にリンベに行く道を聞いてみたら、何を言っているかわかりませんでした。
たとえば、“Waka fine”がどういう意味かお分かりでしょうか。正解は、“Safe journey”(「安全なご旅行を」)という意味だそうです。
他にも色々と面白い例はありますが、リンベの英語のすべてを知りたいと思うのなら、実際に現地に足を運び、現地の人々から学ぶのが一番です。
さて、リンベへの道がわかれば、まずはリンベの植物園に向かいます。
リンベの植物園(Limbe Botanic Garden)
ドイツ植民地時代の1890年に設置されたこのリンベ植物園は、48ヘクタールの広大な敷地に多くの植物を見ることができます。私たちの訪れた日は雨が降っていましたが、雨の日ならではの水に濡れて輝く植物の美しさがそこにはありました。 (植物園にある巨木) 植物園の少し奥に行けば、「ジャングル・ヴィレッジ」という森の集会場があり、木々の囁きや、精霊たちの声がまるで聞こえてきそうな場所でした。 (ジャングル・ヴィレッジ) 植物園の管理人の話では、ここで集会や結婚式、そしてコンサートをたまに行っているとのことで、このジャングル・ヴィレッジの中心にグランドピアノを置いて、森の木洩れ日に照らされながら演奏をしたらさぞかし気持ちいいことだろうと思いました。 植物園の中には、展望カフェがあり、そこからリンベの海を一望することができました。その海の上には石油プラットフォームが音を響かせながら、リンベの灰色の空模様の下にどんよりと佇んでいました。 この海に浮かぶ巨大なプラットフォームが、石油でこの街が有名であることを私たちに思い出させてくれ、実はこの植物園から10~15分走ったところに国営製油会社(SONARA)という会社があるということも知りました。 (植物園にあるカフェからの光景。遠くに石油プラットフォームがある。) また、この写真からもわかるように、沖合には小さな孤島もいくつかあり、ちょっと日本の松島を思わせる風景を楽しめます。 さて、この植物園に来た目的は、植物園が海に面していることから、黒い砂浜を見ることができると考えたからですが、植物園には黒い砂浜はありませんでした。天気も曇っていて、カメルーン山も見ることができなく、なんとかして黒い砂浜だけでも見たいという一心で、植物園の管理人に尋ねたところ、「ここから20分程度先にあるセム・ビーチへ行きなさい。そこならあなた方の思っているものがあるはずですよ。」と教えてくれました。 その管理人の言葉を信じ、私たちはセム・ビーチへ向かいました。
ドイツ植民地時代の1890年に設置されたこのリンベ植物園は、48ヘクタールの広大な敷地に多くの植物を見ることができます。私たちの訪れた日は雨が降っていましたが、雨の日ならではの水に濡れて輝く植物の美しさがそこにはありました。
(植物園にある巨木)
植物園の少し奥に行けば、「ジャングル・ヴィレッジ」という森の集会場があり、木々の囁きや、精霊たちの声がまるで聞こえてきそうな場所でした。
(ジャングル・ヴィレッジ)
植物園の管理人の話では、ここで集会や結婚式、そしてコンサートをたまに行っているとのことで、このジャングル・ヴィレッジの中心にグランドピアノを置いて、森の木洩れ日に照らされながら演奏をしたらさぞかし気持ちいいことだろうと思いました。
植物園の中には、展望カフェがあり、そこからリンベの海を一望することができました。その海の上には石油プラットフォームが音を響かせながら、リンベの灰色の空模様の下にどんよりと佇んでいました。
この海に浮かぶ巨大なプラットフォームが、石油でこの街が有名であることを私たちに思い出させてくれ、実はこの植物園から10~15分走ったところに国営製油会社(SONARA)という会社があるということも知りました。
(植物園にあるカフェからの光景。遠くに石油プラットフォームがある。)
また、この写真からもわかるように、沖合には小さな孤島もいくつかあり、ちょっと日本の松島を思わせる風景を楽しめます。
さて、この植物園に来た目的は、植物園が海に面していることから、黒い砂浜を見ることができると考えたからですが、植物園には黒い砂浜はありませんでした。天気も曇っていて、カメルーン山も見ることができなく、なんとかして黒い砂浜だけでも見たいという一心で、植物園の管理人に尋ねたところ、「ここから20分程度先にあるセム・ビーチへ行きなさい。そこならあなた方の思っているものがあるはずですよ。」と教えてくれました。
その管理人の言葉を信じ、私たちはセム・ビーチへ向かいました。
黒い砂浜 ~セム・ビーチ~
カメルーンのミネラルウォーターの3大銘柄と言えば、「タンギ(Tangui)」、「スペール・モン(Super Mont)」、そして「セム(Semme)」。この3銘柄はどこのスーパーマーケットに行っても必ず置いてあるといっても過言ではありません。そして、セム・ビーチと言えば、「セム・ビーチホテル」のことで、ビーチの入口まで来ると、カメルーンで見慣れたミネラルウォーター「セム」の看板をいくつも見ることができます。
(カメルーンのミネラルウォーター3大銘柄)
私たちの目的は、その見慣れた看板を見ることでも、その飲みなれたミネラルウォーターを飲むことでもなく、黒い砂浜を見ることです。
自由に行けるビーチかと思っていたら、ホテルのプライベートビーチであったため、駐車料金を支払わなければなりませんでした。
駐車場に車を止め、一歩ずつ黒色の海へ向かいます。子どもが海ではしゃぐ声と共に波が押し寄せる音と潮風に期待を込めつつ、砂浜を覗くと、そこは黒い石で埋め尽くされていました。
(黒い石ばかりのセム・ビーチ)
これがリンベの「火山岩石鹸」の源である火山岩かと思うと同時に、私たちは黒い砂の浜を期待していたので、黒い石が散らばっているだけの海岸に、少し残念な気持ちになっていました。
ところが、少し大きな波がザブーンと私たちの方にやってきて、その波が引くと、なんと黒い砂浜が現れたのです。手に取ってその感触を確かめてみると、細かい砂に黒い石のかけらが混じっており、ヤウンデで買った「火山岩石鹸」を使った時のようなザラザラ感がありました。
(黒い砂浜のセム・ビーチ)
この黒い砂浜は、カメルーン山の火山活動によって形成されたものだと言われていますが、ここまで黒く粒の細かい砂浜はなかなか見事なものでした。
おわりに
1泊2日の三都巡りで、カメルーン山は最後まで見ることはできませんでしたが、一番の目的だった「火山岩石鹸」の源である黒い砂浜は見ることができました。また、今回の旅で地元の料理や地元の人々とあまり関わることができなかったのは残念ですが、帰り際、沿道に並べられた村ごとの特産物を見る度に、カメルーンの田舎の人たちの勤労さにただただ感心するばかりでした。
―おわりー
(おことわり:この文章は館員の個人的な感想に基づき記載されたものであって、大使館としての公式見解を反映したものではありません。)