カメルーン便り

 

 カメルーン西部州・北西州の王国と自然を5回にわたりご紹介します。 前回をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。

 

カメルーン西部州・北西州の王国と自然(その5)

(2012年4月末に大使館員がプライベートで訪問)

    北西州バメンダ(BAMENDA)

     次の目的地バメンダはカメルーンの英語圏(旧英国領)に属する街で、北西州サンタ(SANTA)を境に看板がフランス語から英語に切り替わります。同じカメルーンのはずなのですが、言葉が変わるだけでガラッと雰囲気が変わる気がしました。
     バメンダは盆地の底にある都市で、アクセスには一度高台に出て下っていきます。また、道路は舗装されているものの、穴だらけでした。
     街の高台の入り口から市街地を一望することが出来ます。広い盆地に造られた街並みは意外に整然としており、気候も穏やかで過ごしやすく、日本の山間部とはまた趣が違います。
     時刻は既に午後二時。バメンダでは有名なアヤバホテル(AYABA)のレストランを訪れるも残念ながらレストランは閉店後。他のレストランへ向かい、昼食を取りました。レストランの建物にはスーパーとパン屋さんが併設されており、営業時間を確認し明日の朝食はここのパン屋さんにしようと決め、一路王国を目指します。食事場所を探すのには苦労しますので、めぼしきものはあらかじめチェックしておくと後で困りません。

     

    バフット(BAFUT)王国

     バメンダ郊外へ向かい、何度も道を尋ねながら、ようやくバフット王国へ到着。車を駐車させると、1人の女性がこちらに近づいてきました。
    「ようこそ。観光ですか?」
    受付の人かと尋ねたら、「I am a queen !(私は女王です)」との返答。ガイドもする女王様に仰天しましたが、丁寧にお願いして見学することにしました。
     王国は600年以上の伝統をもち、住人は約9500人。一夫多妻制だそうです。


    バフット王国

     中央奥に見える大きい三角屋根の建物が「王の社」です。


    博物館

     王国内でひときわ目立つ建物が2つ。一つは王の社、もう一つは洋風の博物館です。ここで入場料やダンスステージについての説明を受け、1人10,000FCFA(約1,500円)+撮影料3,000FCFA(約450円)を支払いました。

     


    博物館

     博物館はドイツの援助により建設され、儀式のダンスに使用されるマスクや、調度品が展示されています。
     ヨーロッパ人が撮影した20世紀初頭の写真も展示されており、裸族であった時代の様子や王国の近代史など、非常に見応えがあります。

     

    ライオンの門

     博物館の品々を見学し、ダンスステージを見学するため王の社へ向かいます。


    ライオンの門

     王の社へと続く門。ライオンは強き者のシンボルであり、また聖なる場所への入城のシンボルとされています。

    女王たちの住居

     社へ続く道には、女王たちの居住区があり、女王1人1人に住居が与えられるそうです。


    女王たちの住居

     丁度この日は何かの式典のようでした。
     王の社へ案内され、しばらく待っていると王様登場。家臣たちが王様に報告していきます。報告が終わった家臣は順次着席していき、内ポケットからマイグラスを取り出し晩酌を始めました。彼らもダンスを楽しみにしているようです。
     報告が終了すると、ダンスステージの始まりです。(これは観光用でもあり別料金)
    音楽隊が楽器を奏で、女性たちが歌を歌いながら登場します。

     

    部族の踊り(女性)

     部族の踊りは、お客様の来訪や出産などの祝い事の際に催されます。
     手作りの木琴と太鼓に合わせて素朴な踊りを披露してくれました。
     男性の踊りは仮面をつけたり、竹馬に乗ったりで、威嚇的な踊りでした。


    部族の踊り

     ダンスの輪の中には、先ほどガイドをしてくれた女王様もいました。
     華やかなダンスステージが終わり、王様に謁見しお礼を述べ、見学終了。
     今夜の宿、バメンダのペンパンパシフィックホテル(PEN PAN PACIFIC HOTEL)へ向かいます。

     ホテルはバメンダ市街地にあるということだったのですが、場所が分からないためフロントへ電話し場所を尋ねました。
     すると、ホテルのフロントマンがバイクタクシーでやって来て、ホテルまで案内してくれました。
     フロントでチェックインを済ませようと手続をしていると、厨房のおばさんが夕食はどうするのか尋ねてきました。おばさんは熱心に説明してくれるのですが、「何でも出来るよ!」→「こういうのが食べたいのだけれど。」→「それは今日作れない。他のものなら出来るよ!」のループでなかなか話が前に進みません。メニュー表を持ってきてもらい、悪戦苦闘しながら、夕食のメニューを決めていきました。
     チェックインを済ませ、各自部屋へ案内されている最中、ホテル内が停電。真っ暗になりました。フロント係は迅速に発電機のある場所へ向かい、対応していました。結局、電気が復旧するまで、フロント前で待つ羽目になりました。

     

    レストランの料理

     メインは鶏肉、添え物はプランタンを注文し、ソースはトマトケチャップとンドレを選びました。カメルーンの料理は日本では食べられない独特なものが多いですが、その中でも今回は私たちがレストランで食べたンドレソースとイエローソースについて紹介します。


    ンドレ(Ndole)

     カメルーンの伝統料理。ほうれん草に似た苦みのある野菜(ンドレ)を、ピーナッツペーストや香辛料と混ぜ合わせ、肉、魚、エビ等と共に炒めたものです。
     鶏肉やプランタンにつけて食べると非常に美味!香辛料がきいているお陰か臭みもさほどなく、少し油っぽいですが、野菜とのバランスが良いため、食が進みます。

     

    ンドレ

    イエローソース

     バメンダ地方の郷土料理。
     パームオイル等で作ります。
     カレーに似た風味がしますが、カレー粉は使用していません。

     

    イエローソース

     スプーンやフォークはついてきません。どうやって食べるのか尋ねると、「指ですくって食べて下さい。」とのこと。郷に入っては郷に従え。指ですくって食べていきます。
    ソースは非常に美味しいのですが、添え物の肉(おそらくハチノス)は微妙な味わいで、残してしまいました。

     食事を済ませ、シャワーを浴びます。しかし、あちこちの配管から水漏れしていました。とりあえずシャワーはお湯も出るし、浴びる分だけの水量もあるし、他の部分は見なかったことにして、就寝しました。

     

    コーヒー工場

     三日目、本日はバフサムにあるコーヒー工場を見学の予定です。
     バフサムはコーヒーで有名で、UCCAOという国内有数のコーヒー会社あります。
     目星をつけていたパン屋さんで朝食をとり、バメンダからバフサムに向かいます。
     約1時間半後、バフサムに到着し、コーヒー工場へ向かいます。しかし、祝日であったため見学することは出来ませんでした。結局、付近の商店で他の場所では見たことのない香りのとても良いコーヒーを発見し、お土産に購入しました。
     帰り道は、路上のマーケットに度々立ち寄り、人参・ジャガイモ・スイカ・マンゴー・バナナ・アボガドなど、新鮮な食材を大量に購入しながら帰りました。

     

    カメルーン西部州・北西州の王国と自然
    ―おわり―