南健太郎大使からの着任および新年のご挨拶

令和7年1月15日
 新年、あけましておめでとうございます。令和6(2024年)12月に駐カメルーン大使として着任した南健太郎です。これまでもアフリカに駐在した経験がありますが、カメルーンは初めての勤務地で、大使として仕事ができることに胸をわくわくさせているところです。着任翌日からカメルーン政府閣僚と会談の機会があり、また、年末には、無償資金協力によって建設されたドゥアラ市のユプウェ魚市場の開所式が、ディオン=ングテ首相隣席の下で執り行われました。これらを通じて、日本とカメルーンの良好な関係をあらためて実感するとともに、この関係をさらに発展させていこうとの気持ちを新たにしています。
 
 カメルーンは、独立以来60年以上にわたり概ね政治と社会の安定を維持し、その経済は、石油、ガス、木材などの資源のみならず、カカオ、コーヒー、キャッサバなどの農産品の輸出も盛んであるなど比較的多様化が進んでいます。また、隣接する内陸国にとっては、ドゥアラ港とクリビ港からの物資輸送ルートが生命線となっており、カメルーンは、中部アフリカの要ともいえる重要な国です。
 
 日本は、主に経済協力を通じて、カメルーンの社会経済の開発を支援してきました。日本と言えば、無償資金協力で建設された「日本の学校(エコール・ジャポネーズ)」やトヨタなどの日本車を思い浮かべる人が多いと思いますが、最近では、若者を中心にマンガやアニメが人気で、日本語への関心も高まっているようです。また、日本企業の子会社がヤウンデで最大のショッピングモールをオープンするなど、民間企業の新たな動きもあります。大使館としては、これまで日本が実施してきた経済協力を継続・強化するとともに、日本企業の支援、日本文化の普及にも力を入れていきたいと考えています。
 
 カメルーンにおける生活を通じて、「アフリカ大陸の縮図」と呼ばれるほど多様な自然環境や、人々、文化の様々な表情に出会えるのを楽しみにしています。早速、港湾都市で経済首都ともいわれるドゥアラの活気、海辺の町クリビの穏やかな空気に触れる機会がありましたが、今後、南部に広がる熱帯雨林地域、カメルーン山から連なる山岳地域、アダマワ高原、北部のサバンナ地域など各地を訪れ、現地の方々との交流も通じて、カメルーンについての理解を深められればと思っています。
 
 本年8月には横浜でTICAD9が開催され、10月にはカメルーン大統領選挙が行われる予定です。日本とカメルーンの双方にとって重要なこの一年が、両国の相互信頼に基づく友好・協力関係が一層促進される一年となるよう、自ら陣頭指揮を執りながら、大使館一丸となって取り組んでまいります。
 皆さまにとりましても、本年が、ご健康で、実り多い一年になりますよう祈念しております。