南健太郎大使からのご挨拶

令和8年1月8日
 皆様、益々ご清祥のことと存じます。着任して、早一年が過ぎました。
 
 去る2025年は、日本で大阪・関西万博やTICAD9が開催される一方、10月にはカメルーンにおいて大統領選挙が、12月には中央アフリカで4つの選挙(大統領、国民議会、地方議会、自治体議会)が行われるなど大変重要なイベントが盛りだくさんの一年となりました。

 4月から開催された大阪・関西万博では、各国ナショナルデーに際して政府要人が訪日し、自国の文化や特産品を積極的に紹介するなど、日本の人々にカメルーン、中央アフリカ及びチャドをより一層知ってもらう大変有意義な機会となりました。8月のTICAD9では、カメルーンからはディオン=ングテ首相、中央アフリカからはトゥアデラ大統領、チャドからはアルハボ大統領府官房長が訪日し、当館が管轄する各国との間で政府ハイレベルでの会談が実現し、友好協力関係が再確認されるとともに、この機会を捉えて日本を訪れた多数のカメルーン企業が、日本の企業等との間で協力覚書を結び、ビジネス関係も促進されました。

 カメルーン、チャド、中央アフリカにおいては、多種・多様な活動を通じてそれぞれの国との関係が一層強化されました。開発協力事業を例に挙げれば、国際機関との連携を通じて、難民・国内避難民等の紛争の影響を受けた人々に対する食糧援助や人道支援などの事業を3か国合わせて10件以上実施し、また、来年度に実施する数々の案件も精力的に発掘・決定しました。さらにカメルーンにおいては、一次産業支援や中小企業振興に資する技術協力事業、ボランティアの活動が継続している他、先住民の子供たちの教育を支援する草の根・人間の安全保障無償資金協力の実施が決定、また、国営テレビ局CRTVやカメルーン・バトミントン連盟への機材供与が完了するなど文化面での協力促進も特筆できます。

 私自身、一年をとおして常駐しているカメルーンはもとより、チャドや中央アフリカも訪れることができ、これらの国々の人々や文化、自然の豊かさに肌で触れ、理解を深めるにつれ、当初の親近感がますます大きく育ちつつあることを実感しています。また、万博やTICAD9を通じて、カメルーンに関心を寄せる日本企業関係者が着実に増え、多くの方々と前向きな議論を深められたことや、マンガやアニメ人気をきっかけに、日本語への関心が一層高まってきていることを肌身で感じ大変嬉しく思っています。ヤウンデにある日本語学校ではおよそ80名が学び、スピーチコンテストも開催され、日本人教師の皆様の献身的な指導によって卒業後には日本留学を果たす学生が年々増えています。教育機関の中には日本語学科の設立に向けて尽力している大学もあるなど、2国間関係深化のための重要な基盤が着実に強固なものとなりつつあることに非常に勇気づけられる中にあって、東京外国語大学とヤウンデ第一大学の交換留学制度も2年目を迎えるに至りました。さらに、スポーツの分野では、日本の一般財団法人によって野球を通した交流も推進されています。

 このように大使館として様々な活動を行う中で、今後、特に力を入れていくべき分野の一つとして、日本企業の皆様の活動支援強化が挙げられます。現在、この目的の達成に向け経済担当官の増員を目指しているところですが、まずはその足がかりとして、昨年、現地職員を3名増員して体制を強化いたしました。この新たなチームで日本とカメルーン、チャド及び中央アフリカ各国との友好関係の一層の増進を着実に進めます。在留邦人の皆様や、当地での活動に関心をお持ちの日本の皆様にとっての信頼のおける窓口として、一層の親近感、安心感を持っていただけるよう、館員一同、各種業務に着実に取り組んでまいります。