特別連載「高市内閣諸政策」第二回:自由で開かれたインド太平洋(FOIP)

令和8年5月12日
●自由で開かれたインド太平洋(FOIP)
~「海でつながり、陸でつながる。日本とアフリカ、共に拓く自由な未来。」~

 
1 自由で開かれたインド太平洋(FOIP)とは
(1)「自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)」とは、日本が提唱する外交・開発の基本ビジョンです。FOIPは、インド洋と太平洋をつなぐ広大な地域を、自由・法の支配・開かれた経済の原則に基づいて安定・繁栄させることを目指しており、2016年にナイロビで開催されたTICAD VIで初めて提唱されました。

(2)アフリカ東岸に接するインド洋は、世界の貿易を支える重要な海域です。エネルギーや物資の輸送路として、日本とアフリカ双方の繁栄を支える生命線となっています。このため、FOIPでは、アフリカをインド太平洋地域の重要な一部と位置付けており、中部及び西アフリカを含むアフリカ諸国が、より自由で開かれた安全な国際環境の恩恵を受けることが期待されています。

(3)また、FOIPは「質の高いインフラ」の整備と連結性の強化を重視しており、インド太平洋地域とアフリカを結ぶ物流網やインフラ整備を通じて、アフリカ地域の貿易・経済発展への貢献を目指しています。さらに、法の支配や航行の自由に基づく国際秩序の強化は、中部及び西アフリカ周辺を含む海上交通路(シーレーン)の安全と安定にも寄与することに繋がります。
 ※FOIP(外務省HP):https://www.mofa.go.jp/policy/page25e_000278.html


2 FOIPの3つの柱
  FOIPは、インド太平洋地域の平和と繁栄を実現するために、3つの柱を重視しています。
(1)柱1|法の支配・自由・開放性の推進
 法の支配の強化は、平和・安定・発展のための重要な土台となります。日本は、アフリカ諸国における司法・行政・治安機関の能力向上、民主的ガバナンスの強化を積極的に支援しています。
👉具体例:日本は、2025年に実施された中央アフリカの大統領選挙を含む4つの選挙を支援するため、UNDPを通じて100万ドルの無償資金を拠出しました。本支援は、選挙管理能力の強化や女性・若者の選挙参加促進を通じて、民主的プロセスを強化することを目的としています。

(2)柱2|経済的繁栄の追求
日本は、「質の高いインフラ」の整備と自由で公正な経済秩序の構築を通じて、地域全体の経済的繁栄の促進を支援しています。アフリカ地域においては、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の実現に向けた支援の他、インフラ整備でも、透明性・持続可能性・地域社会への貢献を重視した支援を行っています。
👉具体例:日本は、カメルーンのドゥアラ市ユプウェ水揚場・魚市場整備計画(2024年開所)に対し、13.57億円の無償資金協力を実施しました。本協力は、水産物の荷役作業の安全性・効率性向上と販売環境の改善を通じて、同国の水産業の発展を支援するものです。

(3)柱3|平和と安定へのコミットメント
 地域全体の繁栄には、地域全体の平和と安定が欠かせません。日本は、「人間の安全保障」(国家だけでなく、一人ひとりの人間が恐怖や欠乏から解放され、尊厳を持って生きられる社会を実現する)という理念の下、人道支援、災害救援、テロ対策等の支援を行っています。
👉具体例:日本は、スーダン紛争の影響を受けたチャド国内の難民、国内避難民及びホストコミュニティを支援するため、UNICEFやUNHCR等を通じて、過去3年間で約1,000万ドルの無償資金協力を実施しました。本支援は、深刻な人道危機に直面するチャド政府の取組を後押しし、難民及び受入れ地域の負担軽減に貢献するものです。


3 おわりに
(1)自由で開かれたインド太平洋(FOIP)は、特定の国を排除したり、対立を煽るビジョンではありません。インド太平洋地域に関わる全ての国が、大小を問わず、公正なルールのもとで平等に繁栄できる世界を目指すビジョンです。

(2)またFOIPは、日本だけの夢ではありません。全ての人が尊厳を持って生き、全ての国が公正に繁栄できる世界への、共通の願いです。日本は、カメルーン・チャド・中央アフリカとともに、この願いを現実のものとするために、これからも歩み続けます。