新年会における髙岡大使からのご挨拶
新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、令和五年の初春を穏やかに迎えられたこととお慶び申し上げます。
本日はご多忙の中、ようこそいらっしゃいました。昨年はコロナ禍で新年会開催を見送りましたので、初めてお目にかかる方も多いと存じます。一昨年末に駐カメルーン大使として着任しました、高岡望と申します。
年も改まり、大使館館員一同,昨年同様全力で、日本とカメルーンの友好関係促進、在留邦人の皆様方の支援に邁進する所存です。引き続き大使館の活動にご理解,ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
本日は、カメルーン政府を代表して、シムン・ウマル外務次官及び当地ヤウンデにおいて、かつて日本に在勤、お住まいになり、日本語がおわかりになる方々をお招きしております。この日本から遠く離れたカメルーンの地で、ビリー・エコ外務省監察官、ハンディ首相府儀典官のようなカメルーン政府の枢要な地位を占めておられる方、また友好国の、ディウフ・セネガル大使の他インド、EU、カナダ、韓国からいらっしゃった日本の友人が勤務されていることは、大変嬉しく心強いことです。
さて昨年は、新型コロナ・オミクロン株の流行、ロシアによるウクライナ侵略、エネルギー危機や食糧不足による物価高が次々と起こる、正に、激動の一年となりました。そしてその影響は世界の各地に伝播し、カメルーンも日本も大きな影響を被りました。
そうした中、日本は今年、G7の議長国として広島サミットを主催し、また、国連安保理非常任理事国を務め、これらの国際的難局を乗り切るに当たり、重要な役割を果たすことが求められます。そのためにはカメルーンのような、友好国と対話を重ね、協力を積み上げていかなければなりません。当大使館としても、カメルーン政府から貴重なご協力を頂きつつ、職務に邁進して行く所存です。
さて昨年は、日本とカメルーンの二国間関係において嬉しいニュースがありました。新たに、カメルーン・日本友好議員連盟の会長に、コア・ムフェグエ・ローランティン・エプゼ・ムベデ議員が就任され、日本側の友好議連会長である衛藤征士郎元衆議院副議長からお祝いの書簡が届きました。私としましても、しばらく休眠状態にありました両国間の国会議員の間の交流が再活性化することを期待しております。
また皆様もご承知の通り、昨年はここヤウンデに、ショッピングセンター「プレイス」が開店しました。私は先週当大使館が兼轄しているお隣の中央アフリカへの出張から戻ってきたところですが、数日ぶりにプレイスに買物に行って、東京に戻ってきたような感覚を覚えました。
それもそのはず、この運営会社であるフランスの大手商社セーファオは、日本の豊田通商が2016年に完全子会社化しております。プレイスではカメルーン産の商品も多く販売されており、そこで買物することは、日本とカメルーンの双方の利益になるものと心得、私もほぼ日参しております。
そのカルフールを始めカメルーンのあちこちの店先で、最近日本のJICAの協力により北西州ドップで収穫された短粒種の日本米が、「ダイヤモンドライス」と銘打って販売されています。パッケージの袋の右下に慎ましくJICAと小さく印字されていますので、是非見つけて頂ければと思います。
また、ドウァラでは、ユプエという港に、これも日本の協力で魚市場が建設中で、来月には開場の予定です。私はこの夏、タイガ漁業大臣、影山JICA所長と建設中のところを視察して参りました。来月からは、より多くの新鮮な魚がヤウンデにも届けられることを楽しみにしております。
さらに、9月、ヤウンデの近郊ソアに、カメルーン柔道連盟の柔道場が、日本の協力により建設され、私はムエル・コンビ・スポーツ・体育教育大臣と共に、開所式に出席いたしました。将来、この柔道場で鍛錬を積んだカメルーン柔道家がオリンピックで金メダルをとることを期待しております。
このように日本が参加するさまざまな協力案件を通じて、カメルーンの文化経済が発展し、その過程で日本とカメルーンの協力関係が一層進展することを期待しています。
ここヤウンデでは穏やかな気候に恵まれており、新年を迎えた後零下の厳しい日が続いている日本とはいささか趣は異なりますが、少しでも日本の初春の雰囲気を味わって頂こうと、公邸の庭でとった花材を使って妻に生け花をいけてもらい、お雑煮には三つ葉がないのでかわりにカメルーン産インゲンを薄切りにして料理人にお雑煮を用意させました。新型コロナ感染もまだまだしぶとく続いているようですが、どうぞ皆様引き続き感染にはお気を付けになりながら、おくつろぎください。
それでは最後に本年が皆さまにとり良い年となることを心より祈念して,私の年頭の挨拶とさせて頂きます。
令和5年1月31日 在カメルーン大使 高岡望