令和2年度開発協力プレスツアーの実施

令和3年4月9日
【 カメルーン令和2年度開発協力プレスツアーの実施 】

3月24日から26日までの日程で、現地メディア向けプレスツアーを実施し、新聞・テレビ7社8名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。このプレスツアーは、当地における日本の開発協力をカメルーン国民に広報するものです。


‐ 技術協力「コメ振興プロジェクト(PRODERIP)」
 
1日目の午前、プレス一行は、PRODERIPのプロジェクト・サイトのひとつである、ヤウンデ近郊ンコルビソンの圃場を視察しました。現地で活動されている日本人稲作専門家からは、種子の改良や収穫・収穫後処理の改善などを通して、コメの収穫量の増加や品質の向上などといった具体的な成果が上がっていることについて説明がありました。プレス一行は、日本から派遣されている惣慶専門家の説明に熱心に耳を傾け、視察後は、プロジェクトによって生産された美味しいお米に舌鼓を打ちました。日本の稲作技術により、カメルーンのコメの自給率向上が図られています。

惣慶専門家から説明を受けるプレス
惣慶専門家から説明を受けるプレス
 

‐ 技術協力「品質・生産性向上(カイゼン)推進を通じた総合的中小企業振興プロジェクト」
 
1日目の午後は、カイゼン・プロジェクトが実施されている自動車会社CAMI YAOUNDEを視察しました。本件プロジェクトによって育成されたカメルーン人コンサルタントからは、カイゼンの考え方によって無駄を省くための様々な取組が進められ、会社の収益性の向上が実現していることについて説明がありました。日本の経済成長の基礎のひとつであるともいえるカイゼンの考え方がカメルーンの中小企業に浸透していくことを通じて、カメルーン経済の原動力である中小企業の更なる発展が期待されています。


カイゼン・プロジェクトの説明を受けるプレス


‐ 草の根・人間の安全保障無償資金協力「カメルーン・パスツールセンター免疫多項目同時解析装置等機材整備計画」及び「カメルーン・パスツールセンター病原菌等解析機器(Maldi-tof)機材整備案件」
 
2日目の午前は、カメルーン・パスツールセンターにおける草の根・人間の安全保障無償資金協力案件を視察しました。同センターの所長からは、日本の支援により導入された最先端の機材により、感染症に関する同センターの分析能力が向上し、分析時間が短縮された結果、より多くの患者に対する的確な治療が可能になっていることなど、具体的な成果に関する説明がありました。本件分析機材は、新型コロナウイルスに関する研究にも活用されています。
カメルーン・パスツールセンターの視察を終えた一行は、クリビに移動しました。


日本が供与した機材の前でカメルーン・パスツールセンター所長から説明を受けるプレス


‐ 草の根・人間の安全保障無償資金協力「クリビ市ンパラ地区における養豚場建設計画」
 
最終日3日目の午前、まず一行は、クリビの司教区において草の根・人間の安全保障無償資金協力の枠組みで建設された養豚場を視察しました。クリビは豊かな海に恵まれている反面、そのために若者が海以外で生計を立てることが難しくなっており、産業の多角化が進まないことが問題となっています。こうした状況を改善するために、クリビの司教区では日本の支援によって建設された養豚場において若者に対する養豚研修を実施し、より収益性の高い職業への若者のアクセスの向上を図っています。


養豚場内の研修室で、養豚研修を受けている若者と意見交換を行うプレス
 

‐ 無償資金協力「零細漁業センター整備計画」及び「経済社会開発計画(水産関連機材)」
 
最後に一行は、日本の協力によって整備されたクリビ零細漁業センターを視察しました。同センターには、水揚場や魚市場、ボートや船外機の修理場、レストランなどが完備されています。センター長やカメルーン牧畜・漁業・畜産省に日本の海外漁業協力財団から派遣されている小木曽専門家からは、同センターの整備により、地域の零細漁業が飛躍的に発展していることや、日本が新たに支援を決定した水産関連機材供与案件により、同センターの更なる能力の向上が期待されることなどについて説明がありました。視察後、一行は同センターで水揚げされたばかりの新鮮な魚で昼食をとり、ヤウンデに戻りました。


クリビ零細漁業センター長や小木曽専門家とセンターを視察するプレス


センターで水揚げされた魚で昼食をとり、味覚でも取材.JPG


プレスツアー後、各紙・テレビでは次々と取材先となった開発協力の取組が報道されました。特に主要紙のひとつにおいては、見開き2面にわたる特集記事で、日本の開発協力事業が大々的に取り上げられました。多くの人々が目にする新聞各紙やテレビで取り上げられたことで、カメルーン国民の日本の開発協力事業への理解がより一層深まったのではないかと思います。
 
関連リンク
プレスツアー後に掲載された記事
(1)The Guardian Post “Japanese experts commit to reinforce rice production in Cameroon”
(PDFファイル:「日本人専門家がカメルーンにおけるコメ生産の強化にコミット」2021年3月25日)
(2)L’Œil du Sahel « Déjà 23000 producteurs formés à la production du riz de qualité »
(PDFファイル:「高品質のコメの生産のために既に23000名の農家に研修」2021年3月26日)
(3)Cameroon Tribune « Coopération économique Cameroun-Japon : La revue des projets »
(PDFファイル:「日・カメルーン経済協力 プロジェクト・レビュー」2021年3月29日)
(4)The Guardian Post “Beneficiaries hail impact of Japanese-sponsored projects”
(PDFファイル:「日本のプロジェクトの効果を歓迎」2021年3月29日)
(5)L’Œil du Sahel « Le Japon offre deux appareils de pointe au Cameroun »
(PDFファイル:「日本はカメルーンに最新鋭の2機材を提供」2021年3月29日)
(6)Le Messager « Coopération Japon-Cameroun : Le rêve d’industrialisation du riz camerounais effectif »
(PDFファイル:「日・カメルーン協力 カメルーン米の商業化を目指して」2021年3月30日)
(7)The Guardian Post “Centre Pasteur can now boast of better services”
(PDFファイル:「パスツールセンター、よりよいサービスに胸を張る」2021年3月30日)
(8) Mutations « La recette japonaise : PRODERIP, Bientôt 23000 cultivateurs de riz formés »
(PDFファイル:「特集:日本の協力の秘訣 PRODERIP まもなく23000名の稲作農家が研修済みに」2021年4月1日)
(9)Mutations « La recette japonaise : Projet de porciculture, La construction d’un bâtiment financé à Mpalla »
(PDFファイル:「特集:日本の協力の秘訣 養豚計画 ンパラの養豚場建設」2021年4月1日)
(10)Mutations « La recette japonaise : Appui à la recherche médicale, Des équipements de pointes offerts au Centre Pasteur du Cameroun »
(PDFファイル:「特集:日本の協力の秘訣 医療研究への支援 カメルーン・パスツールセンターに最先端の機材を供与」2021年4月1日)
(11)Mutations « La recette japonaise : Centre de pêche de Kribi, La mamelle nourricière de plusieurs familles »
(PDFファイル:「特集:日本の協力の秘訣 クリビ漁業センター 多くの家計に生きる糧を」2021年4月1日)